要旨
【目的】回復期リハビリテーション病棟(以下,リハ病棟と略)に入院した高齢脳卒中患者で,入院時肥満がリハビリテーションに与える影響を検討した.【対象および方法】リハ病棟に入院した高齢脳卒中患者186 名を対象とし,入院時のBMI で標準体重群と肥満群の2 群に分けて回復期リハビリテーションの効果を比較した.さらに,多変量解析でその他の因子を調整した良好なFunctional Independence Measure(以下,FIM と略)効率に対する肥満有無の影響を検討した.【結果】52 名が肥満群に該当し,標準体重群との比較ではFIM 効率が有意に高かった.また,多変量解析においても,良好なFIM 効率に肥満有が有意に影響したことが確認された.【結論】リハ病棟に入院した高齢脳卒中患者において,入院時肥満は回復期リハビリテーションに良い影響を与え,他の因子調整後もその差は有意であることが確認された.