要旨
【目的】急性期疾患加療後の摂食嚥下障害症例増加への対策と経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)導入には克服すべき様々な課題がある.本検討はPEG 診療体制整備のため2018 年1 月設立された摂食嚥下チーム(DMT)活動とPEG の現状評価を目的とした.【対象と方法】2018 年1 月から6 月までのDMT 活動と問題点,待機的PEG 施行例を検討.【結果】DMT 活動では,多職種による包括的介入が可能となったが,職種毎の役割と活動時間の調整,病院からの支援体制が問題となった.PEG を38 例に施行.平均年齢79.7 歳,男性22 例,女性16例で,導入理由は,脳卒中後遺症11 例,認知症進行10 例,原疾患進行10 例の順に多かった.術前嚥下機能評価は57.8%のみで,術後57.9%が間接訓練のみであった.【結論】チーム活動支援体制強化と,摂食嚥下障害症例へのPEG 導入を含む医療従事者間の診療連携調整と強化が必要である.