要旨
経皮経食道胃管挿入術(Percutaneous Trans-esophageal Gastro-tubing;以下,PTEG と略)による減圧チューブ留置を行い,QOL を保つことができた悪性消化管閉塞(Malignant Bowel Obstruction;以下,MBO と略)の2 例を経験した.症例1 は40 歳代,女性.卵巣腫瘍腹腔内再発によるMBO のため,腸管減圧を目的としてイレウス管が長期留置されていた.症例2 は50 歳代,男性.悪性黒色腫の腹膜播種によりMBO を呈し,イレウス管が長期留置されていた.両症例とも腹水貯留のため経皮内視鏡的胃瘻造設術は施行できず,PTEG を実施した.液体の摂取に引き続き半固形流動食の経口摂取を試みたところ,その内容物は減圧チューブからドレナージ可能であった.PTEG による減圧チューブ留置により経口摂取が可能となりQOL を改善し得た2 例を経験したので報告する.
学会誌JSPEN Vol.2 No.2
悪性消化管閉塞に対する経皮経食道胃管挿入術によりQOL改善を認めた2例
著者
西原佑一
所属
独立行政法人国立病院機構東京医療センター 外科
キーワード
経皮経食道的胃管挿入術,緩和医療,悪性消化管閉塞