要旨
【目的/ 方法】2011 年国際栄養調査で,本邦ICU の栄養療法における環境体制や実施状況の遅れが示唆された.2011 年以降,それらに関する調査は殆どなく,神奈川県内ICU での栄養療法の実態や栄養チーム内での栄養療法に対する見解を明確にする目的でオンライン質問票を用いた横断研究を行った.【結果】神奈川県内12施設13ICU から回答が得られ,経腸栄養プロトコール使用が54%,ICU 常在管理栄養士が31%,ICU 常在リハビリテーションスタッフが54%と以前と比し高水準であった.一方,エネルギー・たんぱく質の目標投与量に関し『わからない』と答えた施設が39%を占めた.【結論】ICU における栄養療法の環境体制は,以前と比し整えられてきている.一方,栄養チーム内での栄養療法の目標に対する共通見解にばらつきがある可能性が考えられた.今後,栄養チーム内での栄養療法の目標に関する共通見解を深めていく必要がある.
学会誌JSPEN Vol.2 No.2
神奈川県内のICUにおける栄養療法に関する多施設横断研究
著者
吉田 稔1),吉田 徹2),齋藤浩輝1),川畑亜加里3),松嶋真哉4),森 佑紀5),森みさ子3),小野寺英孝6),桝井良裕1)
所属
聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 救命救急センター1),聖マリアンナ医科大学 救急医学2),聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 看護部3),同 リハビリテーション部4),同 栄養部5),同 脳神経外科6)
キーワード
栄養療法,国際栄養調査,多職種連携