要旨
当院の経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;PEG)件数は2011年以降 減少傾向であった.2012年と2017年の入院患者の経鼻胃管留置(nasogastric tubing;NGT)とPEG件数 の割合を比較したところ,PEGの患者数の減少により割合が逆転していた.NGTが長期間になっている患者の中 にはPEGや経皮経食道胃管挿入術(percutaneous trans-esophageal gastro-tubing;PTEG)の適応を再検 討すべきケースも存在していた.当院では栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)が主体となって, 院内での人工的水分・栄養補給法(artificial hydration and nutrition;AHN)の指針を作成,NST回診で個々 のケースについても相談に応じている.また,2016年6月からPTEGを導入して2017年12月までに23件 施行したが,これに伴いPEG件数が2016年(1月~12月)14件から2017年(1月~12月)43件と明ら かに増加した.適応がある患者に対してPEGやPTEGを積極的に提案してきたこと,PTEG導入により経鼻胃 管の苦痛に対する意識が深まったことが寄与した結果と考えられた.