要旨
【目的】本邦において管理栄養士が配置されている救命救急センターは少なく,経腸栄養開始時間は諸外国と比べて遅いと報告されている.管理栄養士配置による救命救急センターにおける栄養管理の質向上効果を検討したため報告する.【対象および方法】救命救急センターへ入院し,5 病日間経口摂取ができなかった患者を対象とし,管理栄養士が配置される以前の2016 年4 月1 日から2017 年5 月31 日までに入院した17 名を管理栄養士非介入群,配置後の2017 年6 月1 日から2018 年3 月31 日に入院した対象患者18 名を管理栄養士介入群とし,管理栄養士介入効果を検討した.【結果】管理栄養士介入群では,非介入群に比べ,経腸栄養開始時間,経口摂取開始時間が有意に短縮され,輸液使用料,抗菌薬使用料の有意な減少を認めた.【結論】救命救急センターへの管理栄養士配置は経腸栄養開始時間の短縮,経口摂取開始日数の短縮,抗菌薬使用料減少,医療コストの低下と関連した.
学会誌JSPEN Vol.2 No.5
救命救急センターにおける管理栄養士病棟配置による早期経腸栄養の実践効果
著者
平田幸一郎1) 4),菅野真美1),米倉竹夫2),百木 和3),羽生大記4)
所属
近畿大学奈良病院 栄養部1),同 小児外科2),帝塚山大学現代生活学部 食物栄養学科3),大阪市立大学生活科学研究科 栄養医科学研究室4)
キーワード
早期経腸栄養,管理栄養士病棟配置,救急