要旨
【目的】群馬県沼田2 次医療圏で管理されている胃瘻患者の長期栄養管理の意義を検討した.【方法】胃瘻地域連携パスを利用している患者の,1)造設後の予後,2)在宅復帰率,3)経口移行率を調査した.【結果】2012 年4 月から7 年間で胃瘻地域連携パス運用患者数は371 名であった.胃瘻造設時の平均年齢は81.1 歳で,男性169 名,女性202 名であった.追跡可能な334 名の解析では,1)造設後生存期間中央値は619 日,1 カ月生存率93.7%,1 年生存率62.7%,3 年生存率32%,5 年生存率19.5%であった.2)生存中の99 名のうち46 名が介護福祉施設に入所中で,在宅復帰率は17.2%(17 名)であった.3)経口移行率は4.2%であった.【考察および結論】胃瘻地域連携パス運用患者の予後は良好であった.当地域は在宅復帰率が低いため,胃瘻による介護施設での栄養管理は必要不可欠である.
学会誌JSPEN Vol.2 No.5
2次医療圏レベルでのネットワーク構築による胃瘻の長期栄養管理
著者
郡 隆之1),戸丸悟志2),小林克己3),田中秀典4)
所属
利根中央病院 外科1),同 看護部2),国立病院機構 沼田病院 外科3),内田病院 内科4)
キーワード
地域連携,胃瘻,5 年生存率