要旨
nutritionDay プロジェクトとは毎年特定の日をnutritionDay と定め,世界的規模で実施される入院患者の栄養状態についてのアンケート調査であり,日本では2008 年より当時の日本静脈経腸栄養学会(現日本臨床栄養代謝学会)主導の下に参加している.今回,ちょうど栄養サポートチーム(nutrition support team;以下,NST と略)加算が評価された2010 年から3 年間の日本における集計結果を世界のものと比較し検討した.BMI では3 年間とも同様に経過し,日本では22 前後,世界では25 前後であった.栄養療法では,経腸栄養施行患者割合が日本では2010 年から年々増加し,2012 年には7%前後と世界とほぼ同程度に達していた.一方静脈栄養は日本では3 年とも15%を超えていたのに対し,世界では5%前後であった.この変化は,日本でNST が健康保険制度として評価され浸透したことが関係していると考えられる.今後も継続して報告していく予定である.
学会誌JSPEN Vol.2 No.5
nutritionDay2010-2012年の3年間の調査結果からみた日本と世界の栄養状態および栄養療法の比較
著者
武元浩新1) 2),小山 諭1),朝川貴博1),梶谷伸顕1),白木 亮1),利光久美子1),野田さおり1),宮田 剛1),山口 恵1),福島亮治1)
所属
日本静脈経腸栄養学会 2010-2012 年度期nutritionDay 参加委員会 (現日本臨床栄養代謝学会 nutritionDay ワーキンググループ)1),公立学校共済組合近畿中央病院外科2)
キーワード
nutritionDay,日本,世界