2020 年11月吉日
e-journal「学会誌JSPEN」編集委員
新潟大学大学院保健学研究科
小山 諭
編集委員会
委 員 長:佐々木雅也
副委員長:鍋谷 圭宏
編集委員:池松 禎人 犬飼 道雄 大平 雅一
小山 諭 千葉 正博 長沼 篤
林 宏行 丸山 道生 森實 敏夫
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学会誌JSPEN Vol.2 No.5
令和2年11月25日発行
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
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昭美京橋第二ビル5階
TEL:03-6263-2580 FAX:03-6263-2581
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ジャーナル制作 大村印刷株式会社
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Ⓒ2020 by Japanese Society for Clinical Nutrition and Metabolism
学会誌JSPEN Vol.2 No.5
学会誌JSPEN Vol.2 No.5 編集後記
DOI
https://doi.org/10.11244/ejspen.2.5_346詳細
2020 年11 月に入ったところである.現在,アメリカ合衆国では大統領選挙の開票が行われているところであるが,バイデン氏がほぼ勝利を確実にしているようである.これまでのトランプ共和党政権から民主党政権へと移行すると日本にどのような影響が出るのか,甚だ心配ではあるが.日本政府は世界情勢をしっかりと把握しつつ,ポストコロナも見据えた政策を打ち出して欲しいと切に願っている.さて, 今回刊行される学会誌JSPEN Vol. 2No. 5 であるが,原著は4 篇である.古屋宏章氏 は新規格経管栄養器具(ISO 80369-3)使用での細菌汚染の経時的変化について実験的検討を行い,経腸栄養で用いる際の注意点について述べている.平田幸一郎氏が救命救急センターにおける管理栄養士の栄養介入による早期の経腸栄養・経口摂取開始,医療コスト低下など,その有用性を示している.郡 隆之氏は長期栄養管理における2 次医療圏レベルでの胃瘻地域連携パスの有用性を示している.清水奈穂美氏は質的研究手法を用いて終末期栄養療法に関わるチームの合意形成における訪問看護師の支援栄養管理上の重要性を示している.症例報告は1 篇であり,佐々木麻友氏が非代償性肝硬変を背景とした進行肝がん症例への終末期緩和医療における管理栄養士による栄養介入効果について述べておられる.いずれの論文も実臨床でとても役に立つ内容であり,ぜひご一読いただきたい.委員会報告では武元浩新氏がnutritionDay ワーキンググループを代表してnutritionDay 2010-2012 年の3 年間の調査結果を日本と世界で比較した栄養管理方法の相違を報告し,我が国の医療制度も含めた栄養管理の特徴を明確に示している.また,用語解説では用語委員会を代表して杉山彰英氏が3 号液について解説している.3 号液は栄養輸液ではないものの,従来より最もよく用いられてきた輸液であり,その歴史から特徴,使い方が大変わかりやすく解説されており,特に若い方には是非ご一読をお勧めする.COVID-19 は欧州で再流行の兆しを呈している.日本は冷静に感染対策と経済とのバランスをとりながら国としての回復への道を歩んでいくことが望まれるが,もちろん栄養関連の研究活動も歩みを停めずに進んでいくことを切に願う.
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