【目的】重症心身障がい児・者において経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneos Endoscopic Gastrostomy;PEG)が困難な症例に対し,当科で施行している腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術(Laparoscopic-assisted Percutaneous Endoscopic Gastrostomy;以下,LA-PEGと略)の安全性と有用性をあらためて検討した. 【対象および方法】2005年から2022年にLA-PEGを施行した32例を対象とし,LA-PEGの適応理由,手技,合併症の発生率などを後方視的に検討した. 【結果】LA-PEG導入初期の12例は多孔式で行ったが,後期の20例では臍部単孔式に移行した.手術時間は,多孔式手術例は118.2 ± 38.1分であったのに対し,臍部単孔式手術例では125.4 ± 28.4分と,手術時間に明らかな有意差を認めなかった.全例で胃壁からの出血や他臓器の誤穿刺や損傷などの術中合併症を認めなかった. 【結論】重症心身障がい児・者に対しLA-PEGは安全に胃瘻を造設でき,造設後も重大な合併症はみられず,経腸栄養を早期に再開できるという点で有用であった.