【目的】在宅医療の介護者負担の一つに,特殊な形態の食事調理がある.我々は物性等調整食や栄養素等調整食を自施設で調理,販売しておりその有用性や今後の展望について考察する.【方法】2019年2月~2024年6月の期間に,当院で販売する介護食「ラポール」を利用した患者を対象とし,栄養指導記録から患者背景,販売数,継続利用率,購入動機,利用後の感想を調査した.【結果】対象は45名で年齢の中央値[interquartile range(IQR)]は18歳未満が7名(14[13,15]歳,男児1名,女児6名),18歳以上が38名(86.5[80,91]歳,男性21名,女性17名)だった.販売数は470件で,2回以上の継続利用は18歳未満100%,18歳以上34.2%であった.購入動機は「嚥下調整食の調理負担」,「試験外泊時の食事提供のため」が挙げられ,「病院食と同様の食事が在宅で利用でき安心」などの好意的な意見があった.【結語】介護食「ラポール」は在宅医療における新たな食支援の形として有用な可能性がある.