4月は歴でいうと卯月,卯の花月とか夏初月とも呼ばれ夏の始まりを表しているそうです.本編集後記は,4月10日「婦人参政記念日」に書いています.日本で女性の参政権が初めて行使されたのが1946年とまだ80年もたっていないというのは,昨今のインクルーシブ社会の実現へ向けた世の動きからすると驚くばかりです.また,本日は1月1日から数えて100日目にあたることから人生100年時代協議会が「100の日」に制定しています.多くの方が“ 元気で健やかで楽しく長生きする” ことができるように,学会誌JSPENが今後もお役に立つことを願う次第です.
 さて,学会誌JSPEN Vol. 7 No. 2 は,原著論文1 編,症例報告3 編,施設近況報告2 編,学会参加記3 編,報告記4編と今回も盛りだくさんの内容となっています.いずれの投稿も大変興味深いものではありますが,私の一押し論文は「重症心身障がい児・者に対する腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術(LA-PEG)の安全性と有用性の検討(続報)」という中畠先生らによる原著論文です.現在では,経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が一般化しているが,本編の重症心身障がい児・者だけではなくPEG 不適症例というのが一定数存在し,それらに対して開腹あるいは腹腔鏡下胃瘻造設術が行われているが,より安全で確実,侵襲が少ないLA-PEG を紹介,定型化するとともに新たな工夫を加えて標準化を進めている内容を本誌で紹介いただけたことは,多くの会員にとって有益な情報になっ たと思います.
 また症例報告では,短腸症候群症例での必須脂肪酸欠乏症予防にどの程度の脂肪乳剤投与が妥当なのか, 銅欠乏患者に対する市販薬を用いた対応の可能性についての報告をいただきました.必須脂肪酸欠乏予防に対する適正な脂肪乳剤の投与量にしても銅欠乏症患者に対する薬剤の開発にしても今後に必要な課題を提示していただいたと感じています.今後も学会誌JSPENが,学会員の皆さまが栄養治療の現場に必要な課題を提示し,その解決策を提案できるものであるよう編集に努めていきたいと思います.


2025 年4 月吉日 e-journal「学会誌JSPEN」 編集委員会 委員長
久留米大学医学部  外科学講座  石橋生哉

編集委員会
委 員 長:石橋生哉
副委員長:千葉正博
編集委員:浅桐公男  小川恵子  川口 巧
     立石 渉  谷口英喜  中山真美
     宮田 剛  元井冬彦


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学会誌JSPEN Vol.7 No2
令和7年4月28日発行

一般社団法人 日本栄養治療学会
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4丁目4-3
喜助日本橋室町ビル4階
MAIL:jimukyoku@jspen.or.jp

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