要旨
【目的】胃癌術後栄養管理の変化が,術後食の完食者率と術後短期の体重変化に及ぼす影響を検討した.【対象と方法】2011年11月から2017年7月までに腹腔鏡下胃切除術を施行したStage I胃癌の連続症例122例を, 術後栄養管理の違い(術後1日目から半固形経口栄養補助食品を摂取するかどうか,および術後食の違い)により 前期群(n=33),中期群(n=45),後期群(n=44)に分類し,周術期経過,術後食の完食者率,1ヶ月以内の体 重変化を比較検討した.【結果】前期,中期,後期と移行するにつれて,術後食の完食者の割合(33.3%,68.9%, 77.3%)は増加し,体重減少率(7.1±3.9%,6.5±3.5%,5.7±2.2%)は低下した.【結論】胃癌術後栄養 管理において,半固形経口栄養補助食品から全粥食と続けることで,術後食の完食者の割合が増加し,術後の体重 減少を抑制することに役立っていた.