要旨
【目的】嚥下障害のリハビリテーションにおいて液体流動食は臥床時間増大や合併症などの問題を引き起こす. これに対する粘度可変型流動食(マーメッド®)の有用性を検討した.
【対象及び方法】経腸栄養管理の嚥下障害患者17名に対し,液体流動食と粘度可変型流動食を4週間ずつ連続的 に投与して誤嚥性肺炎,下痢の発生,臥床時間,血糖変動やリハビリテーションに対する効果について両流動食で 比較検討した.
【結果】粘度可変型流動食変更後,臥床時間の短縮に伴い訓練時間は増加,誤嚥性肺炎,下痢の減少,血糖変動の 正常化も得られた.これらの効果により日常生活動作レベルも有意に改善した.
【結論】粘度可変型流動食(マーメッド®)は嚥下障害を合併した脳卒中患者において,臥床時間の短縮と合併症発 症を抑制することでリハビリテーション効果を改善した.この効果は流動食の固化だけでなく含有する食物繊維, アルギン酸も影響していると考えられた.
学会誌JSPEN Vol.1 No.1
重度嚥下障害を合併した脳卒中後遺症患者のリハビリテーションにおける粘度可変型流動食(マーメッド®)の有用性
著者
高田俊之1) 2),楠 仁美1) 3),三谷加乃代3),長久麻依子3),早川みち子1)
所属
兵庫県立リハビリテーション中央病院 内科1),同 リハビリテーション科2),同 栄養管理部3)
キーワード
粘度可変型流動食,リハビリテーション,アルギン酸