要旨
外来栄養食事指導の依頼に関する現状を知ることを目的とした.A総合病院の外来を担当している医師172 名全員を対象にアンケート調査を行った.殆どの医師が栄養食事指導を必要とする患者に関わる機会を持っていた が,54.3%の医師が管理栄養士へ栄養食事指導を依頼していなかった.このうち92.9%の医師が管理栄養士に栄 養食事指導を任せたいと考えていたが,「依頼に手間がかかる」,「依頼方法が分からない」という理由で依頼して いなかった.栄養食事指導依頼が少ない理由として診療報酬の対象となる疾患の認知度が低い可能性も考え,合わ せて調査をした.栄養食事指導件数が多い順に認知度も高い傾向だった.今後,管理栄養士が栄養食事指導という 形で患者のQOLやADLの維持,改善に貢献していくには,他職種への情報発信と連携を欠かさず,患者に介入 できるシステム作りを行う必要があることが示唆された.
学会誌JSPEN Vol.1 No.1
外来栄養食事指導の依頼に関する現状調査
著者
飯野みな美1),桑村淳子2),森 明彦1)
所属
順天堂大学医学部附属静岡病院 栄養科1),順天堂大学 保健看護学部2)
キーワード
医師,管理栄養士,外来栄養食事指導