要旨
【目的】栄養サポートチーム(NST)による入院患者の中心静脈栄養(TPN)の処方支援の効果を検討する.【方法】2018 年1 月から6 月に当院入院中にTPN を開始した患者を対象とし,NST が処方支援した介入群(11名)としなかった非介入群(54 名)で,エネルギーやたんぱく質投与量,目標投与量の充足率,脂肪乳剤の使用の有無,血糖や電解質モニタリングの有無などを,後方視的に調査し比較検討した.【結果】エネルギー投与の充足率(%)は介入群は90.5,非介入群は73.9 で介入群が有意に高く,脂肪乳剤の使用も介入群が有意に多かった.たんぱく質投与の充足率は介入群(%)で100,非介入群は84 で介入群で高かったが有意差はなかった.血糖や電解質のモニタリングの実施割合に有意差はなかった.【結論】当院ではNST がTPN 処方支援をした群はエネルギーやたんぱく質の充足率が高い傾向があり,脂肪乳剤の使用率も高かった.
学会誌JSPEN Vol.2 No.3
栄養サポートチームによる中心静脈栄養処方の適正化―当院での検討―
著者
土肥麻貴子1),西岡弘晶2),茨木まどか3),池末裕明1),安藤基純4),東別府直紀5),室井延之1),橋田 亨1)
所属
神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部1),同 総合内科2),同 栄養管理部3),神戸学院大学 薬学部4),神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科5)
キーワード
中心静脈栄養,栄養サポートチーム,エネルギー投与量