GLIMでは筋肉量減少を判定する検査方法として、生体電気インピーダンス法(BIA)、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)、CTやMRI、超音波装置といった測定装置を使った方法とともに、下腿周囲長・上腕筋囲長など身体計測による筋肉量評価も代理指標として用いることが可能としています。
GLIMはユニバーサルな評価ツールの特性上、一律のカットオフ値を設定していません。筋肉量減少の評価には、人種、年齢、性別、疾患対象など、評価対象の特異性を考慮したカットオフ値を使用します。
以下に、日本人向けのカットオフ値例を提示します。

GLIMは、BIAにおける除脂肪量指数(FFMI, fat-free mass index)の欧米人向けカットオフ値、男性<17、女性<15(kg/m2)を提示していますが、現在、アジア人向けの値は具体的に提示していません。

放射線被曝やコストの問題からCTを、筋肉量評価の目的のみのため行うことは通常ありませんが、がん等の疾患の検査目的に行われるCTも、筋肉量評価に利用可能です。以下に日本肝臓学会の肝疾患におけるサルコペニアのカットオフ値dや、日本人を対象としたがん症例で検証されている例e, fを以下に紹介します。

2024年5月8日版